カリキュラム
専攻共通科目の「教育支援デザイン」に加えて、各コースにおいて、心理的支援と日本語教育に関する専門的知識と技能を習得するための選択必修科目(専門科目)を、教員の支援を受けつつ、学生自身のデザインに即して履修し、最終的に修士論文へと結実させる。学校教育の課題のみならず、広く保護者や地域をも視野に入れた研究課題に取り組み、これらの成果は学内で開かれる教育支援デザインフォーラムなどでの報告や、学会発表・学術論文として公表するなど、広く社会的な検証を受けることとする。
専攻共通科目「教育支援デザイン」
専攻共通科目「教育支援デザイン」は、専攻所属の教員全員が担当する科目であるが、実際には、各学生の専攻共通科目担当教員が他の教員と自由に連携協力して指導するゼミ形式あるいはワークショップ形式の授業形態をとる。各教員が、「研究計画書」及び入学後の面談をもとに、学生の取り組みが、教育現場における、理論とそれに基づいた実践を通して、言語支援や学習支援、心理支援などの多種多様な支援をするために必要な専門性を体得し、教育支援のデザイン力形成を実現するよう指導する。教員自身もまた、自らの教育・研究内容を教育支援現場の課題と照合し、自らの学問を新たな「学」へと練り上げていく。
学生は、教員と協働し、教育インターン、実習、実地検証などを経て、教育現場における言語支援や学習支援、心理支援といった教育支援のプランとプロセスを設計していく。アウトプットを明確にするために、各自の研究目的と方法、専門分野に応じて、学生は自分の「教育支援デザイン」の担当教員の指導を受けつつ研究を進める。
コース専門科目
心理支援コースの専門科目群
①臨床研究に関する科目群
学校教育と心理学に関する学術研究の科目である。この科目群では、学校教育と心理学、特に教育心理学、臨床心理学の基礎理論を学び、現象やデータを心理学的視点から捉え、分析し、解釈する力を養うことで、研究や実践の諸課題を見出し、さらには、教育現場における心理的支援の実践力の基礎を身に付け、「課題研究Ⅰ」「課題研究Ⅱ」を履修する中で修士論文を完成させる。また「課題研究Ⅰ」「課題研究Ⅱ」では、研究課題を学会や研究会等で発表するための指導も行う。
②臨床実践の基礎に関する科目群
心理支援の理論に関する科目である。この科目群では、心理支援の実践に関する基礎理論とさまざまな現場における支援の実践を具体的に学び、「臨床実践科目群」における実習と連動しながら、心理的支援の実践について学ぶ。
③臨床実践科目群
心理的支援の実習科目である。この科目群では、教育、福祉、医療の分野における心理的支援の実習を通して、心理支援の専門家としての技能を身に付ける。
心理支援コース授業科目
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- 心理支援コース履修モデル
日本語教育コースの専門科目群
①日本語教育の実践と研究の統合科目群
実践を通して研究内容を深化することを目的とした科目である。この科目群では、現場と密着し、追究可能な研究課題を見出し、着実に進める。当該科目群は、「日本語教育インターンI」「日本語教育インターンII」から成る。
②総合研究科目群
専門性の高い知識・理論と実践との往還の中で修士論文へと結実させることを目的とした科目である。この科目群は、「課題研究」から成る。学生は、「教育支援デザイン」→「日本語教育インターンI」→「日本語教育インターンII」・「課題研究」といった段階的プロセスの中で、実践者としての高度な知識とスキルを獲得しつつ、研究の高度化、深化、精緻化を図る。また、研究成果を社会的に公表し、外部のまなざしによって検証を受けるために、学会や研究会等での発表の指導も行う。
③日本語教育の内容と開発科目群
日本語教育に関連する諸理論と知識および実践上の原理などの学的基盤を築くことを目的とした科目である。この科目群では、「日本語教授法講義Ⅰ、II」「日本語教授法演習I、II」、「日本語教育学研究講義I、II」「日本語教育学研究演習I、II」、「日本語教育学講義Ⅰ、II」「日本語教育学演習I、II」「日本語教育特論」を提供し、多角的に問題を考え柔軟に対応のできる教師の育成を行う。
④教育支援に関する科目群
教育支援を受ける側の心理について学ぶことを目的とした科目である。この科目群では、「臨床心理学特論Ⅰ」、「心理支援に関する理論と実践」、「社会心理学特論」、「教育心理学特論」、「教育分野に関する理論と支援の展開I」、「心理統計法特論」を提供し、支援や教育について心理を重視しつつ高度な実践展開のできる人材育成に繋げる。
日本語教育コース授業科目
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日本語教育コース履修モデル
修士論文
1年次に取り組んだ教育支援デザインにおける研究テーマを、2年次においてより高度化、深化、発展させる形で、各自「課題研究」に取り組み、修士論文の研究を完成させる。研究の成果については公表をするものとし、修了にあたっては、修士論文の研究に関して審査を受け、最終試験に合格することを要件とする。